
ジージャンってそもそもどういう服なんだろう?
この年齢で着てもおかしくないのだろうか?
と悩む、大人年齢に差し掛かった男性もいるかと思います。
実はジージャンは「大人カジュアル」の代表的なアイテムでもあります。
カジュアルでのコーディネートが相応しいジージャンですが、今回は、「ジージャンとは?」から「選び方や着こなしのポイント」、「おすすめのジージャン」までをメンズファッションのプロがご紹介していきたいと思います。
これをキッカケに、是非ともジージャンをコーディネートに仲間入りさせて、カッコ良く着こなしてください!
目次
1.ジージャンとは?
1-1 名前の由来
ジージャンとはそもそも、デニムと呼ばれる生地で作られたジャンパー、ジャケットのことです。
デニム生地のパンツをジーンズあるいはジーパンと呼び、ジージャンは英語では通常ジーンジャケット(jean jacket)となりますが、日本では和製英語ジーンジャンパー(jean jumper)の略称が定着しました。「デニムジャケット」と呼ばれる事も多いです。
「Gジャン」と表記されることもありますが、このGについては諸説あります。
その中でもジーンズが、「G.I」(アメリカ軍の陸軍兵士の俗称)がよく穿いていたことからGパンと呼ばれるようになったため、ジャケットに関しても「Gジャン」と呼ぶようになったというのが有力説としてあります。
ジージャンは、元はアメリカ西部開拓事業に携わる労働者の作業服用として使用されていました。
デニムはインディゴと呼ばれる藍色の染料で染められた綿の厚手の生地なので、ジージャンは本来であればインディゴカラーの生地のものを指しますが、最近ではデニム以外の色々な生地で作られていて、その形状を指して「ジージャン」とも呼ばれています。
1-2 ジージャンの歴史
ジージャンは1930年代にジーンズで有名なリーバイス(Levi’s)として知られるリーバイ・ストラウス社によって、ジーパン用に合わせる労働用上着「デニムジャケット」として製造が開始されました。
【リーバイス】
(参照:wikipedia)
【リーバイス】
(参照:wikipedia)
昔作られて、現存しているジージャンは「ヴィンテージ」として人気があり、マニアの間では高値で取引されています。
ヴィンテージのジージャンを知る上で欠かせないのが、そのデザインの変化とそれによるモデル名です。リーバイスによって生み出されたジージャンが初めて登場したのは19世紀といわれています。種類は古い順から分類して、「ファースト」「セカンド」「サード」「フォース」となります。
「ファースト」(Lot.506XX)
(参照:Lightning)
現代まで続くジージャンの形の基礎となったと言われるのが、Lot.506XX、通称“ファースト“モデルです。
胸回りに立体的なゆとりを確保して動きやすくするためのフロント(前身頃)のプリーツ(折りひだ)と、左胸のみに設けられたパッチ&フラップ(貼り付け蓋付き)ポケットが特徴です。
【ファースト後ろ身頃】
(参照:Lightning)
さらに後ろ身頃には「バックシンチ」と呼ばれるベルト式のアジャスターが使われています。背中にもプリーツがあり、動きやすい構造になっています。
「セカンド」(Lot.507XX)
(参照:MUUSEO SQUARE)
第二次世界大戦が終結し、アメリカに空前の好景気が訪れた1950年代。
1952年に誕生したのがLot.507XX、通称“セカンド”です。
ショート&ワイドのボックスシルエットやフロントプリーツなどはファーストの基本設計に加え、そこにパッチ&フラップポケットが両胸に配したデザインとなりました。そして後ろのバックシンチからサイドアジャスターへと変更されて、いまのジージャンにより近い見え方になっていきました。
【セカンド後ろ身頃】(参照:MUUSEO SQUARE)
「サード」(Lot.557XX)
(参照:amazon)
ジーンズがワークウェアからファッションアイテムとして少しずつ変化していった1950年代後半から1960年代前半。ジージャンもファッションとして楽しむ傾向が若者の間で広まり始めた頃、リーバイスはジージャンをモデルチェンジさせ、1962年第3世代の“サード“と呼ばれる「Lot.557XX」が誕生しました。
【サード後ろ身頃】
(参照:amazon)
特徴はプリーツではなくV字状の切替えによって立体感が生み出され、ベース型に変形したフロントのフラップポケットとなり、今のジージャンにかなり近づいてきました。
「フォース」(Lot.70505)
(参照:Sunny Side Up)
【フォース後ろ身頃】
(参照:Sunny Side Up)
1967年に第4世代として「Lot.70505」が誕生します。見た目にはサードとほぼ変わりませんが、シルエットがこれまでのゆったりとした感じから、やや着丈が長くなり、スリムフィットさせてかっこよく着れるように細身になっています。
これでジージャンとして完成された形となりました。
このように時代の流れと共に変化していき、その間に世界中で親しまれ、多くの著名人にも愛用されてきて存在価値が高まったジージャンは、現在では定番のカジュアルウェアでありますから、男性誰もが1着は持っていても良いアイテムと言っても過言ではありません。
そんな歴史もあり、実は様々な形や種類があるジージャンですが、今回はその中から「大人の男性の外さないジージャンコーディネート」にフォーカスして選び方やコーディネート方法などをご紹介します。
2.ジージャンを選ぶポイントは『サイズ、色柄、素材』
大人カジュアルを実現するためのジージャンを選ぶ際のポイントとしては、サイズ、色柄、素材の3点に着目することです。
2-1 ジャストサイズかやや細身を選ぼう
ジージャンを大人っぽく着る上で、サイズはとても重要となります。ジャストサイズかやや細身くらいに見えるサイズ感が重要です。
アメリカンカジュアル(アメカジ)の代表的素材でもあるジージャンですが、アメカジは比較的ゆったりとルーズに着るサイズ感も多いです。しかしダボついてしまうとかっこよくなりません。
さらにジージャンで使われるデニム素材にはストレッチ(伸びる)効果がない素材が多く、羽織った時にゴワゴワする感じがあるので、大きめサイズを選ぶ男性も多いのですが、ジージャンでゆったりサイズは野暮ったく見えてしまう可能性が高いです。
ジャストサイズにするためには、「胸回り」「着丈」「袖丈」の3点をチェックしてください。
【胸周り】
自分の胸回り+10~15cm程度のゆとりがあればジャストサイズとなります。
細身の方が良いのですが、前のボタンは掛けることが出来る程度であれば大丈夫です。ジャストサイズより大きい場合は、その状態で両腕を横に拡げた時にダブつきが出ます。ダブつきがないかどうかを目安にしてください。
【着丈】
ジージャンの着丈は元々短めの作りとなりますので、逆に着丈が長すぎてしまうとオーバーサイズとなってしまいます。羽織って前ボタンを留めた際に、穿いているパンツのベルトがちょうど覆い被さる程度がジャストな着丈となります。
【袖丈】
袖丈も長すぎると野暮ったくなります。羽織った際に、手首は被さって良いですが、手の甲がすっぽりとは覆わない程度の長さで選べると袖回りもスッキリ感が出ます。
このようなところを注意点としてサイズ選びをしてください。普段ご自身で選ぶサイズよりワンサイズ下を試着してみることもおすすめします。
2-2 黒やグレー、インディゴブルーの無地を選ぼう
ジージャンの色といえば、ブルーがメジャーでしょう。しかし、黒やグレーがあると若者と違った大人っぽいジージャンの着こなしをすることができます。
【黒ジージャン】
【ライトグレージージャン】
こういった無彩色は大人っぽいシックな印象が出しやすいです。
柄はない無地調で選びましょう。そうするとコーディネートも合わせやすいです。
黒やグレーがない場合は、見かけることの多いインディゴブルー(藍染色)もおすすめです!
【深いインディゴブルー】ただし、ダメージカラーや極端に色落ちしたような明るい色目ですと大人っぽさが出しにくく、カジュアル感も強くなり大人っぽさとは異なります。なので、深いインディゴブルーで選んだ方がグッと大人っぽくなります。
2-3 ストレッチ入りデニム素材を選ぶと着心地も◎
ジージャンは細身で選ぶ方がかっこ良いですので、細身で選んで欲しいのですが、窮屈さを感じることもあるでしょう。しかし、実は、伸びる素材があるのでそういった素材があると羽織った時の着用感もラクになってきます。
デニムは綿なので、洗濯表記(服の裏の左脇下あたりに縫い付けてあります)の中に必ず混用率が記載されております。その中にポリウレタンという素材が1~5%程度含まれていれば、その生地は伸びる素材となりますので、着た時の体感は大分ラクなはずです。
【伸びるデニム素材】
(参照:ユニクロ)
軽く生地を引っ張ってみると伸びるはずです。 このようにして素材は確認してみてください。
3.ジージャンをコーディネートする際のポイント
3-1 パンツも細身にして全身をスッキリとした印象に
ジージャンに合わせるパンツは細身のものを選んで、全体でスッキリとした印象にしましょう。
【細身のパンツ】
ジージャン同様に、パンツも太くてゆったりしたサイズ感だとカジュアルな印象にもなりますし、ジージャンをせっかく細身にしても合わせるパンツがゆったりだと全身の統一感がなくなり、かっこよくはなりません。
3-2 インナーの着丈が長すぎないようにする
ジージャンの中に着る「インナー」ですが、あまり着丈が長すぎないものをオススメします。
ジージャンもアウターとしては着丈が短いので難しいところではありますが、ジージャンの着丈に対してインナーがあまりにも長すぎてしまうとアンバランスな見え方となり、だらしなくも見えてしまいます。
定義付けも難しいところですが、5cm前後であれば良いと思います。10cm出てしまうとアンバランスに見えてしまうでしょう。
3-3 全身を3色以内にまとめて大人っぽく上品に
ジージャンを使ったコーディネートについては、全身で3色以内を目安にすると大人っぽく上品にまとめることが出来ます。
【黒ジージャン×ネイビーセーター×ベージュチノパン】
使う色数があまり多すぎてしまうと、全体的にごちゃごちゃした感じになりやすく、カジュアル感も強く出るようになり主張が強くなります。シックで上品な雰囲気を目指すのであれば、全身で3色以内がオススメです。
4.季節別おすすめジージャンコーディネート
ジージャンは一般的には春先や秋口など、気温20℃前後の気候で使われることが多いですが、やり方によってはほぼ一年中着ることが出来ます。
季節によってどのようにコーディネートしていけば良いのかをご紹介します。
4-1 春先ジージャンコーディネート
春は軽やかな雰囲気を出したいですから、ライトグレーなど明るい色目のジージャンがおすすめです。
【ライトグレージージャン×パープルセーター×ベージュチノパン】
またはシャツやカットソー、薄手セーターなどインナーで明るめの色を使うなどして、ボタン全開でインナーの色をチラっと見せながら春らしさを演出してみてはいかがでしょうか。
ボタンの開け閉めでも雰囲気はガラリと変わります。
留める場合のオススメとしては、全部留めだと若干作業着感がのこりますから、たとえば上から3つめのボタンのみ留めるなどの方法が良いでしょう。
【上から3つめのみボタン留め】ボタンが留まっているとキリッとした大人の雰囲気を醸し出すことができます!
また、ちょっとオシャレを目指すのであれば、ストールのような巻き物をアクセントに応用するのもいいですね。
4-2 夏の爽やかジージャンコーデ
デニム生地でも薄手のものが使えわれているジージャンもあります。
夏は外だと羽織ることは少ないかとは思いますが、時に空調キンキンで寒かったりなどで「ちょっとした羽織もの」が欲しいときがあるかと思います。
【ジージャン×Tシャツ×シロパン】
Tシャツにシロパンを合わせた夏っぽいコーディネートにもジージャンを羽織るだけで、若者のようなカジュアルさとは違った、大人の雰囲気が感じられる印象になります。
4-3 秋のシックなコーディネート
秋も春同様にジージャンが使い易い時季ですが、黒など濃色や暖色系などを用いて暖かみを出して季節感を演出するのが良いでしょう。
【ライトグレージージャン×黒セーター×ベージュチノパン】
秋であれば全身を明るめ、濃いめに統一するのではなく、シューズやインナーに濃い色をいれることで秋らしい印象にすることができます。
4-4 冬の防寒コーディネート
冬は、インナーにタートルネックのような薄手でも首までしっかり覆ってくれるニットや、マフラーのような防寒アイテムを併用させてイメージ的にも少しでも暖かみを演出するようなコーディネートが冬のジージャンコーデの代表例となるでしょう。
【ジージャン×ライトグレーセーター×マフラー】
またこれはお洒落上級テクニックではありますが、ジージャンをシャツのようにインナー使いして、その上にウール素材のコートやダウンベストを羽織るような着方もあります。
【コート×ジージャン】
5.NGなジージャンとは?
5-1 サイズゆったりでダボダボ、丈長すぎ
サイズ感については前述もしておりましたが、サイズが必要以上に大きかったり、また着丈や袖丈が必要以上に長過ぎると一気に野暮ったさが出て、一昔前という雰囲気が醸し出されてしまいますので十分に注意してください。
ジージャンは大きいか、小さくて着用感がキツいのかで選ぶのであれば、多少着用感がきつめでも細身の方が見た目にはスッキリ感が得られます。
5-2 ハードな色落ちやダメージ素材
デニム生地によくあるような、ハードな色落ちや、あえて入れるキズや擦り切れなどの「ダメージ加工」が施されているものは印象も強く、カジュアルになり過ぎるので今回のような大人の着こなしとは離れてしまうので避けた方が良いでしょう。
5-3 デニムの上下一緒はオススメしません
ジージャンと合わせるパンツも全く同素材の、「デニムonデニム」は難易度が上がり上級者向けのコーディネート方法と言われています。見た目にも農場のおじさん的な印象を持たれるなど作業着感が否めずオススメはしません。
今回のような「上品大人ジージャンコーデ」においては、基本的に上下の配色や素材感は分けると考えていきましょう。
6.おすすめのジージャン【BEST4】
6章では、おすすめジージャンを4点厳選してご紹介します。
(いずれもネット通販にて販売しているものですが、ジージャン選びの参考にして頂ければと思います。)
ジージャン選びはサイズが肝になるため、デートなど重要なシーンで着るアイテムは、お店で試着をして選ぶことをおすすめしますが、とは言え、「お店に行く時間がない!」「まずは値段重視で安く済ませたい」という方もいるでしょう。普段使いのアイテムであれば、ネットで購入するのも一つの手かもしれません。
※写真をクリックすると、アイテム詳細ページに移動します。
※品切れ、商品入れ替えの際は、通販サイトの検索窓にて「デニムジャケット」or「ジージャン」と検索してください。
【1位】
ベーシックなネイビーのジージャン。全身が細身のシルエットで大人っぽく着こなすことができます。【価格:6,950円(税込)】
【2位】
何にでも合わせやすい黒のベーシックなジージャン。ステッチ(縫い目)も目立たないデザインで、大人っぽく男らしい印象にすることができます。【価格:7,000円(税込)】
【3位】
【4位】
<今回ご紹介した通販ショップ>
◆ メンズファッションプラス
20代~30代向けの通販ショップです。やりすぎない、失敗しない無難な男服をコンセプトに、ファッション初心者でも気軽に買える「マネキン買い」が可能。コーディネート写真でいいなと思ったアイテムが一式で購入できてしまうのでラク。
◆ スプートニクス
こちらも20代~30代向けの通販ショップです。大人っぽくキレイめなアイテムが揃います。アイテムの種類が豊富で、選びやすいのも特徴。
7.カッコいいジージャンが買えるオススメショップ
カッコいいジージャンスタイルを目指すためのショップをお伝えします。
大人な印象を出すために必要な要素が含まれたアイテムがある可能性が高いところです。
いずれのショップで購入されるにしても、必ず試着して、出来れば全身コーディネートしてお店の全身鏡で見ながら配色バランスやサイズ感などをチェックしてください。
サイズ選びがとても重要なジージャン選びですが、プロが採寸をして最適なサイズ選びのお手伝いをしてくれるサービスもあるので、そちらもご紹介しますね!
7-1 大手セレクトショップ(トゥモローランド)
セレクトショップは量販店よりも少し価格は上がってきますが、自社製造あるいは海外からのインポート(輸入)商品などもあり、ジージャンやジージャンを使ったコーディネートも可能な場合が多いです。中でもトゥモローランドはオシャレで洗練されたアイテムが多く揃っていて、女性ウケも良いブランドでありますから押さえておくと良いでしょう。
7-2 男性専門デパート(イセタンメンズ)
東京新宿にあるデパートで地下1階から8階まで全て男性向けのアイテムが揃っています。そのため品揃え豊富でジージャンはもちろん全身コーディネートも可能です。
ブランド数も多く当然大人っぽいアイテムが豊富であります。「多くのものから選びたい!」という方にとっては最適ではないでしょうか。
ただし、売り場面積が大変広く、ブランドも多く混在しておりますので、ここから自分に合うものを探していく作業がちょっと大変かもしれません。時間に余裕を持ってじっくりと買い物に行かれることをオススメします。
7-3 コーディネートサービス(ライフブランディング)
お店に行ったけれど、自分ではいいものが選べない・・・など洋服の買い物に悩まれた男性はぜひ利用してみてください。
男性専門ファッションコーディネートサービスを提供しており、これまで1万人以上の利用者がいます。ジージャンのようなカジュアルな洋服を使ったコーディネートの方法を求めて来店する方もとても多いです。
ショップと異なるのは、まずカウンセリング(洋服を着るシーンやライフスタイルをヒアリング)を行い、サイズを計測してから最適なコーディネートをプロが選びます。
服選びに困った時には、ホームページの無料相談フォーム、あるいはフリーダイアル0120-470-460で電話無料相談が受けられます。
8.まとめ
いかがでしたでしょうか。
ジージャンとはどういった歴史があり、それを知った上でご自身でどのように選び、大人の男性として外さないコーディネートをすればいいかのポイントをご紹介してきました。
細身のサイズ感や色柄、素材などを意識して、スッキリと見えるようなコーディネートを心掛けてください。
きっと、ジージャンというカジュアルなアイテムを使いつつも、上品な大人の男性が演出出来るようになるでしょう。
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