冬にコートを新調したいと思ったけど、コート選びの際によく聞く「ピーコート」ってそもそもどういうコートなのだろうか?
はたして自分に似合うコートなのだろうか?
と悩む男性は決して少なくないと思います。
そこで今回は、これまで1万人以上の男性のファッションコーディネートをお手伝いしてきた、男性専門パーソナルスタイリストの私たちが、ピーコートとは何か?また選び方、コーディネート方法までをご紹介します。
他のコートとはどう違うのか?その答えもわかります。
ピーコートはカジュアルで色んな用途で使うことが出来るので、大人の男性の装いにも欠かせない冬の定番アイテムと言えるでしょう。
これを読んでいただければ、自信を持ってピーコートを選び、着こなしていただけます!
目次
1.ピーコートとはカジュアル用のコート
「ピーコート」とは、「メルトン」と呼ばれるウールの地厚な生地で作られたショート丈のハーフコートです。
【メルトン】
フランスの漁師やイギリス海軍の軍人が、艦上(船の甲板)で作業する際に着用された作業着がルーツとされています。
舟の上で、風向きによって左前と右前をフロントボタンの留め方で変えられるように前身頃が作られています。
見た目はダブルブレスト(ボタン)になった着丈の短いコートで、寒くなってもボタンを開け閉めしやすいように大きめで平らなボタンが付けられていて、ボタンには舟の碇が書かれているものもあります。
手を入れて温めやすいように、縦に切り込みが入ったポケットがあり、色は濃紺無地が元となっています。
このようなルーツのコートなので、フォーマルな場で使われることはほぼなく、カジュアルのハーフコート(着丈がお尻を隠さないように短い)なので、コーディネートも基本カジュアル用途として考えましょう。
2.ピーコートを選ぶ際のポイントは、サイズ、色柄、素材
ピーコートを選ぶ際に、私たち男性専門パーソナルスタイリストがお伝えする、重要なポイントが3点あります。
・やや細身に見えるようなジャストサイズで
・無地のベーシックな色を選ぶ
・素材は天然繊維ウールのメルトン、フランネルがおすすめ
となります。
2-1 ジャストサイズかやや細身くらいで、長さはハーフかヒザ上丈
「ジャストサイズ」で選び全身コーディネートさせることがとても大切です。
【左:ジャストサイズ、右:オーバーサイズ】
アイテムはピーコートではありませんが、この写真でサイズ感の違いで印象がガラッと変わって見えるのがわかると思います。
2-1-1 おなか周り
【OK写真】
【NG写真】
身幅については、自分のおなか周り+15~20cm程度のゆとりがあればジャストサイズとなります。
NG写真のように、両腕を横に軽く広げた状態でゆとりがあり過ぎないかどうかが目安です。
2-1-2 肩回り
肩回りのサイズにも注意が必要です。
肩回りが大きすぎないサイズを選ぶことが大切です。大きすぎるサイズを選んでしまうと、一昔前の雰囲気となり、老けてみえてしまう可能性が大です。
以下の写真のように、肩の部分に指が一本入るか入らないか位のゆとりがあるのがジャストサイズです。指が一本以上入ってしまう場合は大きすぎます。
2-1-3 着丈
そして着丈の長さなります。
ピーコートの着丈は、一般的にはハーフコートと呼ばれるようなお尻を覆いつくす程度の長さですが、長いものではヒザ上10cm程度のやや長めの仕様のものもあります。
長くてもヒザよりも上になるものを選びましょう。
ヒザ上10cm程度の位置にすることで、スッキリとした印象となります。
2-2 無地のベーシックな色を選んで上品な印象に
選ぶピーコートは無地のベーシックな定番色を使うと上品に決めることが出来ます。
柄物は他のアイテムとの合わせも難しく、派手な印象となるので上品さとは逆行してしまいます。
例えば、濃い色だとピーコート定番の濃紺や黒、チャコールやコゲチャ、明るい色であればライトグレーやベージュが定番色と言えます。よりシャープに見せるためには濃紺や黒、チャコールのような濃い色にすることです。
2-3 素材は天然繊維ウールのメルトン、フランネルがおすすめ
ピーコートの素材は天然繊維のウールで、「メルトン」と呼ばれる圧縮されたフェルトのような見た目のウールの生地がおすすめです。
【メルトン】
素材は天然繊維が使われているものを選ぶことでチープにならずに上品さが出せます。
男性は着心地重視で、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は軽くて取扱いもラクで機能性という意味でも重宝されますが、元々スポーツウェアやアウトドア用で使われる繊維ということもあり、スポーティな印象になりチープに見えてしまいます。
ウール100%のフランネルやメルトンは保温性が高く、寒い冬にはピッタリの素材です。また、ウールはスーツにもよく使われる素材のため、かっちりとした大人っぽい印象となります。
3.ピーコートをコーディネートする際のポイント
ピーコートを使ってコーディネートする際のポイントを、男性専門パーソナルスタイリストがご紹介します。
3-1 コーディネートは3色以内でまとめて上品な印象に
ピーコートを使ったコーディネートについては、全身で3色以内を目安にすると、上品さが出て大人っぽい印象にまとめることが出来ます。
使う色数があまり多すぎてしまうと、全体的にごちゃごちゃした感じになりやすく、カジュアルな印象がより強くなります。
シックで上品な雰囲気を目指すのであれば、全身で3色以内がオススメです。
3-2 合わせるアイテムも細身を選んですっきりと
コートを細身にすることはもちろんですが、合わせるインナーやボトムスなども細身に見えるようなものを選んで、全身シルエットでスッキリと見えるようにしましょう。
コートをせっかく細身にしても、合わせるアイテムが太くてゆったりとしたサイズ感だと、ちぐはぐに見えてバランス感も悪く、当然野暮ったい印象となります。
全身を細身で統一させましょう。
4.ピーコートに合わせるおすすめアイテム
ピーコートに合わせるのに持っておくべきと言っても過言ではないおすすめアイテムを、男性専門パーソナルスタイリストが1つずつご紹介していきます。
4-1 インナーは白や水色の「シャツ」でさわやかな印象に
襟付きシャツはインナーの代表としては欠かすことが出来ません。ピーコートやジャケットの中に着るものとしても定番的ですし、カジュアルでも多くの男性がシャツを着ます。シャツの色は、無地であれば白、水色(青)、ピンクなどが合わせやすく上品な印象となります。
【白シャツ】
【ブルーシャツ】
【ピンクシャツ】
また柄を取り入れて少しカジュアル感や、やわらかい印象を出すことも出来ます。
ストライプやウィンドウペーンと呼ばれる格子状の模様、ギンガムチェックなどが挙げられます。
【ウインドウペーンシャツ】
【ストライプシャツ】
シャツは使用頻度が高く、一回着たら洗うのが基本的ですのでバリエーションが必要です。
その際にはこのようなところから揃えていってみてください。
詳しいシャツのサイズ選び方はこちらをご参照ください。
関連記事4-2 「セーター」は上品カジュアルをサポート
ピーコートのインナーとしてはこちらも定番的なセーターが上品に見えて非常に使い勝手が良いです。
Vネックなどこのようなセーターであれば、ワイシャツの上に着ることも出来ますし、インナーの上に直接着ることも出来て、とても上品な印象が出せるからです。
男性はモコモコ、チクチクという印象のあるセーターを好みません。
ですがこのようにするとモコモコ、チクチクは無く、さらにその上にジャケットやブルゾンなどアウターを羽織るとも可能なので、厚ぼったくない見た目にもスッキリしていておしゃれな感じに見えます。
色は黒やライトグレーなどが落ち着いた定番色がおすすめです。ちょっとおしゃれ感を出すのにパープルのような差し色を使うと効果があります。
4-3 パンツはカジュアルなら「チノパン」
パンツは細身で、カジュアル用の素材なら綿がベースとなるチノパンが代表格となります。
ビジネスカジュアルでも使われます。
色は明るい色であればベージュやライトグレーが一般的。
濃色であればチャコールやカーキ、黒といったところです。
ジャケットなど上半身と色の濃淡を分けると全体バランス感が良く合わせもしやすくなります。
さらに、前述したようにポリウレタンなどストレッチが入っていれば(1~5%程度)細身でも動きが取りやすく使い勝手が良いでしょう。
詳しいチノパンの選び方はこちらをご参照ください。
関連記事4-4 「ジーパン」は加工のない細身で上品なカジュアル感を演出
ジーパン(=ジーンズ)はチノパンよりももう少し「カジュアル感」が出るパンツとなります。
ジーパンを上品に穿きこなすためには、あまりダメージが入ったものや激しく色落ちしたものではなく、濃いインディゴ(藍色)ですとジーパンというカジュアルアイテムでも落ち着いた雰囲気にあり、尚且つ上半身との合わせもしやすいです。
サイズ感はチノパン同様に細身に見えるシルエットで選びましょう。
スキニーフィットは逆に若干いやらしさが出ることもあるので、スリムフィットやテーパードという裾に向かって細くなるシルエットで選びましょう。
4-5 足元を引き締めてくれる「レザーシューズ」
靴については「レザーシューズ」が鉄板で必須です。またカジュアルなシチュエーションや距離を歩く場合はレザースニーカーがオススメです。
【レザーシューズ】
【レザースニーカー】
革靴の形はシンプルなストレートチップかウィングチップで、細身に見えて鼻先が長めであれば、足元のかっこいいイメージが演出出来ます。
レザー(革)素材で色は黒かコゲチャですが、よりカチッと見せたいのであれば黒、やや柔らかい印象を醸し出すのを狙うなら「コゲチャ」がおすすめとなります。
コゲチャは黒ほどカッチリになり過ぎず、適度に上品な柔らかさが演出できます。明るい色よりは濃い色目の方がより合わせもし易く、シャープな印象にもなるので足元を引き締めてくれますのでオススメと言えます。
詳しいシューズの選び方はこちらをご参照ください。
関連記事4-6 細部にもこだわりたい!「レザーベルト」
ベルトもコーディネートによっては顔を出すことがあります。特にシャツをインしてジャケットを羽織る場合はベルトが見えますので、その際には写真のようなレザーのバックルタイプが良いです。
【レザーベルト】
ベルトは幅が太過ぎるとジーパン用でウェスタンのような印象となってしまうので、幅は3.5cm(35mm)が目安となります。太いとカジュアル用となり、細いとビジネス用となります。
最も合わせやすくバランスが良いのは3.5cm幅となります。色は黒かコゲチャですが、靴に合わせてください。特にスーツの際には靴とベルトの革の色を合わせると全身に統一感が出ます。。ジャケパンでも色を合わせると統一感が出ます。
また、ジャケパンのようなややカジュアルな印象を出すなら、メッシュ状になっているレザーメッシュベルトなどもいいでしょう。
【レザーメッシュベルト】
詳しいベルトの選び方はこちら↓
関連記事5.ピーコートを買うためのおすすめショップ3選
カッコいいピーコートスタイルを目指すためのショップをお伝えします。
大人な印象を出すために必要な要素が含まれたアイテムがある可能性が高いところです。
いずれのショップで購入されるにしても、必ず試着して、出来れば全身コーディネートしてお店の全身鏡で見ながら配色バランスやサイズ感などをチェックしてください。
5-1 「トゥモローランド」で流行、定番共に揃います
セレクトショップは量販店よりも少し価格は上がってきますが、自社製造あるいは海外からのインポート(輸入)商品などもあり、冬場はコートも豊富です。中でもトゥモローランドはレディスも幅広い年齢層に人気があり女性ウケも良いブランドでありますから押さえておくと良いでしょう。
5-2 じっくり選びたい派なら「イセタンメンズ」
東京新宿にあるデパートで地下1階から8階まで全て男性向けのアイテムが揃っています。そのため品揃え豊富でピーコートを使ったコーディネートも可能です。
ブランド数も多く当然大人っぽいアイテムが豊富であります。「多くのものから選びたい!」という方にとっては最適ではないでしょうか。
ただし、売り場面積が大変広く、ブランドも多く混在しておりますので、ここから自分に合うものを探していく作業がちょっと大変かもしれません。時間に余裕を持ってじっくりと買い物に行かれることをオススメします。
5-3 自分で選べない男性はプロに任せよう!「ライフブランディング」
お店に行ったけれど、自分ではいいものが選べない・・・など洋服の買い物に悩まされた男性は利用してみてください。
男性専門でファッションコーディネートサービスを提供しており、これまで1万人以上の利用者がいます。
コートを使ったコーディネートの方法を求めて来店する方もとても多いです。
ショップと少し異なるのは、まずカウンセリング(洋服を着るシーンやライフスタイルをヒアリング)を行い、サイズを計測してから最適なコーディネートをプロが選びます。
服選びに悩まされた際にはホームページの無料相談フォーム、あるいはフリーダイアル0120-470-460で電話無料相談が受けられます。
6.ピーコートを買うためのおすすめ通販ショップ【BEST3】
服装選びはサイズが重要なため、仕事など重要なシーンで着る場合は、お店で試着をして選ぶことをおすすめします。とはいうものの、「お店に行く時間がない!」「そもそもお店が近くには無い!」という方もいるでしょう。その場合はネットで購入するのも一つの手でしょう。
そんな方のために、おすすめの通販ショップ【BEST3】をご紹介します。
【BEST1】「マネキン買い」で失敗知らず!メンズファッションプラス
やりすぎない、失敗しない無難な男服をコンセプトに、ファッション初心者でも気軽に買える「マネキン買い」が可能。コーディネート写真でいいなと思ったアイテムが一式で購入できてしまうのでラク!
【BEST2】「大人っぽいきれいめアイテム」ならスプートニクス
こちらも大人っぽくキレイめなアイテムが揃います。着るアイテムの種類が豊富で、選びやすいのも特徴。
【BEST3】厳選アイテムで初心者も買い物しやすいDcollection
7.まとめ
いかがでしたでしょうか。
ピーコートがどういったコートであることがお分かりいただけたかと思います。
歴史もあり、今も定番的なコートとして多くの人に親しまれています。
どのように選び、身に着ければよいのか。また外さないコーディネート方法までをご紹介しました。
細身のサイズ感を意識して、スッキリと見えるようなコーディネートを心掛けてください。
今年の冬はピーコートで暖かく、見た目もかっこいい男性になれますね!