
スーツを着ていて、なんかしっくり来ない、野暮ったくないか?
と感じる男性も少なくないのではないでしょうか?
その大きな要因として、サイズ感があります。
男性用のスーツは、もちろん細かいディテールなどで選び方もありますが、サイズ感によって見え方が大きく変わってきます。
40~50代にはゆったりが好まれ、20~30代は細身がカッコ良いと思う傾向がありますが、大き過ぎは野暮ったく見えて、細過ぎるのは無理があるようになり窮屈に見えて、カジュアルな印象になってしまいます。
ではどうすれば良いのか?それは「ジャストサイズ」で着ることです。
今回は、これまで1万人以上の多くのファッションに悩める男性にコーディネートのアドバイスを行ってきた男性専門パーソナルスタイリストの私たちが、あなたにとってベストなスーツのサイズ選びが出来るポイントをお伝え出来ればと思います。
これでスーツの装いに自信を持てるようになるでしょう!
目次
1.スーツのサイズ感はジャストサイズが鉄則!細過ぎにも注意。
スーツを着る際のサイズ感は、「ジャストサイズ」であることが必須となります。
小さいと無理があるように見えますし、逆に大きいと野暮ったく見えてだらしない印象になります。
左の写真のジャストサイズの方がスッキリと見えませんか?
それではサイズ感の細かいポイントをご紹介しましょう。
2.吊るし(既製品)でスーツを買う際のサイズの見方
まずは、大手チェーン店などで吊るしの状態、つまり既製品でスーツを買われる際の、一般的なサイズの判断の仕方となります。
販売員さんがいれば主要箇所だけでも採寸してもらって、まずはどういうサイズ感かを相談するのが良いですが、既製品でのサイズ表の見方を解説しましょう。
既製品の場合の一般的なサイズ表記は「Y-5」「AB-6」などのように、アルファベットと数字の組み合わせになっています。
表は、国内大手スーツ販売店「AOKI」のサイズ表となります。
細い方はY体、太っている方やがっちりした方だとB体が近くなります。そして身長が低い方は小さい数字に、身長の高い方は大きい数字になり、この組み合わせ方を元に自分に合うサイズ感を決めていきます。
この際のオススメとしては、面倒だとは思いますが、一番近いサイズ感と、その前後のサイズも着てみて、フィット感や見た目で判断することです。素材感などでも着用感や見え方は変わってくるからです。
それでは次章より、サイズ感のチェック項目をご紹介します。
3.スーツのジャケットのサイズ感は4カ所をチェック
スーツのジャケットのサイズ感は、「身幅」、「肩幅」、「着丈」、「袖丈」の4点が気を付けるポイントです。
3-1 身幅はボタンを留めてこぶし1個収まる程度でジャストサイズに
ジャケットの前ボタンの上を一つ留めた状態で、こぶしが1つ入るか入らないかくらいが基準となります。ゆるいと縦にシワが入り、きついと横に不自然なシワが寄ります。
3-2 肩幅は自分の実寸どおりで
「スーツは肩で着る」というくらい、肩幅はスーツの基本となります。
肩幅は、自分の実寸どおりで、ジャストサイズに見えるようにしましょう。
ジャケットの適切な肩幅とは、背中にシワが入らないようにすることが目安となります。
肩幅が必要以上に大きいと、肩から肩先が落ちてしまい、ダブダブしたような見た目になりますし、小さいと左右に引っ張られ横に何本かスジが入ったようなシワが出てしまいます。
ジャストサイズであれば背中にシワがないスッキリとした見た目になります。
ジャケットの肩幅が適正であれば、背中全体にかけて均等に負荷がかかるようになりますから、着用感も軽くなってラクに羽織れるようになります。
小さいと肩のみに負荷がかかり窮屈になって疲れやすくなります。
羽織った際に、指が一本入るか入らないか位のゆとりがあるのがジャストサイズです。指が一本以上入ってしまう場合は大きすぎ、指が全く入らない場合は恐らく着ていて肩が窮屈に感じると思います。
そうすると、肩口が1cm程度つまめるくらいになるでしょう。それを目安としてください。
また、肩パットが入っているかいないかでも見え方、着用感は変わってきますが、肩幅に対する定義は同様です。
ひと昔前のジャケットだと、厚手の肩パットが入っているものも多かったですが、最近は入っていても薄手が多いです。
もちろん、肩パットが入っている方がスーツのようにカチッと見えますし、肩パットが無いとストンと肩が落ちるように見えるのでカジュアルな雰囲気となります。
3-3 着丈はお尻が完全に覆わない程度に
ジャケットの最適な着丈バランスはこのようになります。
ジャケットでいう着丈とは、後ろ襟の下の縫い目から、ジャケットの裾の先までの直線を測った数字となります。
ベストな着丈バランスとしましては、ベルトの下から股の下にかけてのライン上で、真ん中からやや長い程度の位置が適正となります。
後ろから見ますと、おしりが完全に隠れてしまわない程度となります。
おしりを完全に覆うくらい長くなってしまうと、野暮ったく見えてしまいます。
また、逆におしり全開のように短すぎてしまうと、子供っぽくチープな印象となってしまいます。
共に印象は良くはなりません。
3-4 袖丈は手のくるぶし3/4程度に
ジャケットの袖丈の正しい長さはこの長さです。
手のくるぶしあたりに袖口が来る程度の位置となります。
ジャケットの中に襟付きのシャツを着ている場合は、シャツの袖口が1~2cm程度のぞかせるのが目安です。
自分で判断するための簡単な方法としては、手を下ろして、手のひらを外側に開いた際に、袖口が手に当たらないようになれば長すぎない長さとなります。
袖丈が長すぎると、野暮ったい見た目となります。
また短いとカジュアルな印象になりますが、あまりに短すぎても「つんつるてん」な見た目になり不自然ですので、シャツの袖丈は最適な長さにしましょう。
4.スーツのスラックスのサイズ感も4カ所をチェック
スーツのスラックスのサイズ感は、「ウェスト」、「お尻」、「モモ」、「裾」の4点が気を付けるポイントです。
4-1 ウェストは指1本入る程度でジャストサイズに
指1本入るくらいなら、食事前後のサイズ変化の対応も問題ありません。これより余裕があり過ぎる場合は、ベルトをした時に生地がよれてしまいます。
4-2 お尻はシワが寄らず、食い込まずにジャストサイズで
<大きすぎて縦ジワができている>
お尻回りが大きすぎると縦にシワが入り、小さすぎると食い込みが生じます。
4-3 モモはシワが入り過ぎないようにジャストサイズで
太もも回りがきついと、座った時にミミズのようなシワがたくさん入ります。座った姿勢でシワが多く入らないかどうか確認しましょう。
4-4 裾は少したわむ長さでジャストサイズに
裾の長さは靴を履いて立った時に、写真のように足の甲にほんの少しのたわみができるくらいがベストです。短すぎて足首から靴下が見えたり、長すぎてたわみが多くできていないかについても確認しましょう。
靴を履かずにスラックスを穿いた状態で、ギリギリ地面に着かない程度にすると程良くなります。
人によっては、股上の深いスラックスをへその上辺りまで引き上げてベルトで固定していることもありますが、見た目が実年齢よりも老けて見えてしまうので避けましょう。
<ウェスト位置の上げ過ぎ>
股上が深すぎるスラックスは避けましょう。適度に浅めのものを選び、へその下付近で腰骨に引っ掛ける位置でベルトを固定するくらいがベストです。
<ベストなウェスト位置>
また裾幅は身長によって前後1cm程度は範囲がありますが19cm程度がスッキリと見える幅です。
5.サイズ感以外でスーツを選ぶ際のポイントは、色柄と素材感
サイズ感以外でスーツを選ぶ際のポイントは、色柄と素材感となります。
5-1 ベーシックな色や柄を選んでスマートな印象に
スーツは無地のベーシックな定番色や定番柄を使うと上品に決めることが出来ます。
例えば、濃い色だと定番の紺やチャコール(濃いグレー)、明るい色であればライトグレーが定番色と言えます。ビジネスアイテムはある程度セオリーの中で選ぶことをおすすめします。
柄については無地、ストライプ(縦縞)、シャドーストライプと呼ばれる、はっきりとした線が入っているのではなく、同系色の陰影で縦縞に見える柄、または格子柄やグレンチェックと呼ばれるチェック柄がスーツの定番柄となります。
<無地>
<シャドーストライプ>
<ピンストライプ>
<格子、ウィンドウペーン>
<グレンチェック>
<千鳥格子、ハウンドトゥース>
<バーズアイ(織り柄、見た目は無地調です)>
5-2 生地はウール100%がベスト!素材で上質感の演出を
スーツに使う生地はウール100%であることをおすすめします。
値段を抑えるのであればポリエステルを中心とした合成繊維が含まれた生地もあります。
ウール100%の方は上質感が出て、上品な雰囲気となります。
合成繊維は不自然な光沢が出て、ややチープな印象に見える場合がありますので注意が必要です。
6.サイズ感ばっちりのス-ツに合わせる他アイテムを揃えよう
6-1 爽やかな襟付き「シャツ」は必須インナーアイテム
シャツの色は、無地であれば白、青(水色)、淡いピンクなどが合わせやすくさわやかな印象となります。
【水色】
【淡いピンク】
特に濃い色のジャケットは見た目の「重たさ」が出やすくなりますが、それを軽減してくれる効果もあり、ジャケットの上品さをさらにグッと引き上げてくれます。
ちなみに、柄を入れるとカジュアル感や、やわらかい印象を出すことが出来ます。
柄の定番としては、ストライプやウィンドウペーン、チェックなどが挙げられます。
【シャツ ストライプ】
【ウィンドウペーン】
コーディネートの注意点としては、ジャケットが無地であればシャツは柄でも良いです。逆にシャツが柄の場合にはジャケットは無地にした方が見た目にしつこくならずにさり気なさが演出出来ます。
詳しいシャツのサイズ選びなどについてはこちらをご参照ください。
関連記事6-2 ネクタイの選び方
ネクタイは色が濃い色、淡い(明るい)色、赤やピンク、イエローのようなアクセントカラーに分類され、柄は無地、「レジメンタル」と呼ばれる斜めストライプ、「ピンドット」と呼ばれるピンで打ったような小さい水玉が均等、対称に入っているのが代表例の「小紋柄」を中心にそろえていくのがセオリーとされます。
また、合わせる際には、スーツ、シャツ、ネクタイそれぞれで柄の感じが被らないようにした方が、しつこい感じにならないです。
例えば、スーツがストライプ、シャツも同じような色や線の太さピッチ幅が近い物同志だとバランス感が良くないので、例えばスーツのストライプが太めであれば、シャツは無地にして、ネクタイはストライプだとしても細いピッチ幅にするなどです。
6-3 足元は細身に見える黒かコゲチャのヒモの革靴
靴については黒かコゲチャのヒモの革靴が鉄板です。
革靴の形はシンプルなストレートチップかウィングチップで、細身に見えて鼻先が長めであれば、足元でスッキリした印象が演出出来ます。
レザー(革)素材で色は黒かコゲチャですが、よりカチッと見せたいのであれば黒、やや柔らかい印象を醸し出すのを狙うなら「コゲチャ」となります。
明るい色よりは濃い色目の方がより合わせもし易く、シャープな印象にもなるので足元を引き締めてくれますのでオススメと言えます。
6-4 3~3.5cm巾の黒かコゲチャのレザーベルト
ベルトも顔を出すことがあります。特にシャツをインしたスーツはベルトが見えますので、そういった際には写真のようなレザーのバックルタイプが良いです。
ベルトは幅が太過ぎるとカジュアルな印象となってしまうので、幅は3~3.5cm(35mm)が目安となります。
色は黒かコゲチャですが、靴に合わせてください。特にスーツの際には靴とベルトの革の色を合わせるというのはセオリーです。
7.ジャストサイズのスーツを買うためのおすすめショップ3選
ジャストサイズのスーツや、合わせるアイテムを揃えるのにオススメなショップをお伝えします。
いずれのショップで購入されるにしても、必ず試着して、出来れば全身コーディネートしてお店の全身鏡で見ながらサイズ感と見え方などをチェックしてください。
7-1 既製品なら「AOKI」でリーズナブルに
言わずと知れた、大手スーツ量販店ですが、ベーシックでありながらもトレンドを取り入れた、さりげないお洒落感のあるスーツを手に入れることができます。幅広い年齢層の方をターゲットとしています。機能性を重視した、丸洗いできるスーツや自転車・バイク通勤用のストレッチの効いたスーツ、また、体格の大きい方向けのスーツなど、バリエーションも豊富です。価格や機能性も重視しながら、そこそこお洒落に・・・という方には最適です。価格帯は3万前後のものが多いです。
7-2 じっくり選びたい派なら「イセタンメンズ
東京新宿にあるデパートで地下1階から8階まで全て男性向けのアイテムが揃っています。そのため品揃えが豊富でスーツも可能です。
ブランド数も多く当然大人っぽいアイテムが豊富であります。
ただし、売り場面積が大変広く、ブランドも多く混在しておりますので、ここから自分に合うものを探していく作業がちょっと大変かもしれません。時間に余裕を持ってじっくりと買い物に行かれることをオススメします。
7-3 自分で選べない男性はプロに任せよう!「ライフブランディング」
お店に行ったけれど、自分ではいいものが選べない・・・など洋服の買い物に悩まされた男性は利用してみてください。
男性専門でファッションコーディネートサービスを提供しており、これまで1万人以上の利用者がいます。
ショップと少し異なるのは、まずカウンセリング(洋服を着るシーンやライフスタイルをヒアリング)を行い、サイズを計測してから最適なコーディネートをプロが選ぶ点です。
服選びに悩まされた際にはホームページの無料相談フォーム、あるいはフリーダイアル0120-470-460で電話無料相談が受けられます。
8.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はスーツを選ぶ際のサイズ感について、ポイントなどを男性専門パーソナルスタイリストがお伝えしました。
あなたにとってのジャストサイズで着ることで、印象は大きく変わってきます。
スーツのサイズ感に悩んでいる方は是非とも参考にしてください。