「スラックスを穿いてみたいと思うけど、着こなし方もわからないし、自分に合うスラックスが何かわからないので手が出せない。。。そもそもスラックスとどういうアイテムなの?」
と、相談に来る男性はとても多いです。
スラックスは選び方とコーディネートによって見え方が変わってきます。
穿きこなすのには少し難しいアイテムと言えます。
そこで今回は、これまで1万人以上の服装に悩む男性にファッションコーディネートをお手伝いしてきた私たち個人向けスタイリストが、スラックスとは何か?またスラックスの選び方、コーディネート方法までをご紹介します。
スラックスはビジネスを中心に実は色んな場面に使われる、大人の男の装いには欠かせないアイテムと言えるでしょう。
これを読んでいただければ、自信を持ってスラックスを穿きこなせます!
目次
1.スラックスとは
スラックスとは、スーツの下のズボンのようなしっかりとした仕立てで、ウール素材が使われた生地のパンツのことです。
ビジネス用での男性用のパンツというのが一般的でしょう。
【スラックス】
(参照:wear)
スラックスは、本来「長ズボン」を指す米語で、もともとは軍隊の俗語として用いられていたと言われます。
語源のスラック(slack)には、「ゆるい、たるい」といった意味があり、全体にゆったりしたシルエットのズボンをスラックス(slacks)と称されました。
また、定義のひとつとして、「スラックス」とは背広や制服など、特定の上着と対で用いるズボンのことを表す言葉でもあります。
形の特徴としては、両足のそれぞれ中央にセンタープレスという折り目が縦に入っていて、腰下のポケットが斜めの形状になっています。
【センタープレス】
(参照:PAL CLOSET)
【ポケット】
(参照:GPA)
このようにスラックスは、すっきりとした見た目になるので、ビジネス用で穿くパンツを指すことが多く、カジュアルではかっちり見えるコーディネートに使われます。
カジュアル用としてはやや難しくなりますが、正しい選び方、コーディネートが出来れば上品な雰囲気を醸し出せるパンツであります。
2.スラックスとチノパン・ジーパンの違い
スラックスとチノパン、ジーパンとの違いですが、ジーンズはslackのように「ゆるい、たるい」というよりは、細身でピタっとした見た目です。
また、ジーパンにはセンタープレスがなく、素材がスラックスとは違い、「デニム」という綿の厚手の綾織物に、「インディゴ」と呼ばれる藍染めされた生地が使われていて、「リベット」と呼ばれる金属の補強が施されたパンツで、カジュアルや作業用ズボンとして使われています。
【ジーンズ】
(参照:camp-fire)
また、チノパンとの違いがわからないという方は多いと思いますが、スラックスとチノパンは形状が一緒です。大きな違いとしては、スラックスにはウールが使われた生地で、またチノパンには「チノクロス」と呼ばれる綿織物が使われた生地ですので、素材が異なります。
【チノパン】
(参照:モノコレ)
スラックスは主にビジネス用として、チノパンはカジュアルやビジネスカジュアル用として穿かれます。
3.スラックスを選ぶ際の6つのポイント
では、実際に自分に合うスラックスを選ぶ際のポイントを紹介します。
3-1 シルエットは細身に見えるもので選ぼう
シルエットは細身に見えるもので選びましょう。
ジャストサイズで穿くためのポイントは3か所、「もも」「ヒップ」「ウェスト」です。
【スラックスのサイズ選びのポイント】
もも周りはきついとしゃがんだ時にミミズのようなシワが横に数多く入ります。
穿いた感覚でのサイズ判断は、スラックスを穿いて屈伸をしてみて、破れなさそうであれば大丈夫です。
見た目の判断は、ヒップですと、太すぎるとシワが多く入り、また細いと食い込みが生じてしまいます。
ウェストは指が一本入る程度の余裕があれば問題ありません。
【ウエスト】あまりに余裕があり過ぎると、ベルトを締めた際にたるみが出来てしまい、スマートさに欠けてしまいます。
食事をしても、お腹がきつくならない程度にしておきましょう。
3-2 股上浅めのノータックかワンタックがおすすめ
腰回りは、股上が浅めで、ノータックかワンタックにするとすっきり見えておすすめです。
タックとは、腰回りに余裕を持たせるための折り目となりますので、2本以上とタックの数が多いと野暮ったい見た目となってしまいます。
【タックの違い】
(参照:Yahoo)
特別にお尻周りが大きいのではなければ、ノータックかワンタックがスマートに見えます。
また、股上も深いと野暮ったさが出ますので、股上を浅くして見た目にスッキリ見えるようにしましょう。
スラックスに限らず、チノパンやジーンズなど股上の浅いパンツを穿く際は、ウェスト位置を上げ過ぎないようにするのがポイントです。
股上の浅い分、ウェスト位置を上げ過ぎると、窮屈な見た目になるので腰骨にちょうどかかるくらいの位置でウェスト位置を設定するようにすればバランス良く見えます。
ちなみに、股上が深いものはクラシックな雰囲気になるので初心者が着こなすのは難しいです。
【股上が深い】
(参照:FERIC)
画像のようにサスペンダーで吊るすのであれば股上が深いものも綺麗に見えますが、現代では巻くベルトが主流なので、綺麗に見せることが難しいのが現状です。
3-3 丈の長さはハーフクッションがベスト
裾の丈の長さは、靴を脱いだ時に裾が地面に届くか着かないかの「ハーフクッション」と呼ばれる長さにしましょう。
靴を履いた際に、裾口がややたまるように見える状態です。
【真ん中:ハーフクッション】
(参照:order suit nevy)
裾丈が長すぎると野暮ったく(画像右)、短すぎるとカジュアル感(画像左)が出ます。
靴に届かないくらい短い、くるぶし丈程度を「ノークッション」、またハーフクッションよりも長いのが「ワンクッション」となりますが、スラックスの裾であればハーフクッションを持っておけば安心です。
3-4 裾幅は18~20cmがベスト
裾口の幅は、Sサイズなど細い体型の方で18cm程度、LやXLサイズなど太い体型やがっちりという体型の方で20cm程度、Mサイズの方で19cm程度がベストです。
【裾幅】(参照:form)
裾が太いと野暮ったい印象になりますし、細すぎるとカジュアルな印象になります。
ちょうどよい裾幅にしておくと、画像の様に、もも周りから裾に向かっては、徐々に細くなっていく方がすっきり見えます。
【スラックス:横】
(参照:服ログ)
裾の幅を指定して、スラックス購入するのは難しいので、裾の幅は購入したお店や、町のお直し屋さんで裾幅の調整をすることできるので自分に合ったサイズに変更しましょう。
3-5 素材は「ウール」が定番
生地に使われている素材は「ウール」が定番となります。
【ウール】
(参照:zozo)
ウールはかちっとして印象にすることができるので、まずはウールを持っておきましょう。
最近は、ポリエステルの生地で作られたスラックスもお店で多く見られますが、安っぽく見えてしまう恐れがあります。
ウールの中でも、一年中使えるような、比較的薄手のウール生地のものがありますので最初は使う頻度の多いものを選んでおくと失敗しません。
また、季節素材にも素材を合わせればスラックスを合わせることができます。
【冬素材ツイード】
(参照:silhouette)
まずは使い勝手のいいウールのものから揃えていって、何本かそろえた後に季節ものを採り入れるといいでしょう。
3-6 裾口はスッキリ感なら「シングル」、重厚感なら「ダブル」
裾口ですが、折り返しのないシングルと、折り返しのあるダブルがあります。
【左:シングル、右:ダブル】
(参照:tangoya)
スッキリとシャープな印象にするならシングルで、足元の重厚感を意識するならダブルという選択の方法が良いです。
4.スラックスを穿くときの注意点
続いては、スラックスを穿くときの注意点をご紹介します。
4-1 ウェスト位置は腰骨に引っ掛けて穿こう
股上のところで前述しましたが、スラックスの股上が浅めのタイプであれば、ウェスト位置を腰骨に引っ掛けるようにして穿きましょう。
【スラックスを穿く位置】
股上の深いスラックスをウェスト位置を上げて穿いてしまうと、野暮ったく見えます。
股上が浅いスラックスをウェスト位置を上げて穿いてしまうと、臀部やオシリが食い込んで見えてしまいます。
ちょうどよい所を最初は見つけるのに時間がかかりますが、すぐに慣れますので、注意をしながらカッコよく着こなしましょう。
4-2 センタープレスはしっかりと入っている状態で穿こう
センタープレスはしっかりと入っている状態で穿くようにしましょう。
【左:センタープラスなし、右:センタープレス有り】
(参照:最高の画像)
センタープレスとは、両足中央にアイロンなどで1本の折り目を付けるデザインのことで、「クリース」とも呼びます。
主にパンツに施されます。スーツなどのフォーマルウェアでよく見られるデザインです。
縦のラインが強調されることで足長効果もありますし、立体感が出ます。シルエットがきれいに見えます。
しかしセンタープレスは、日々使っていると薄れたり消えてしまいます。
センタープレスが消えてしまうと、のっぺりとした見た目にもなり、だらしない印象となりますので、取れてしまったらスチームアイロンなどで付けるようにしましょう。
アイロンは低温から中温に設定し、ハンカチなどの薄い布地で当て布を必ずして、軽く押し当てるように折り目を作りましょう。
4-3 ビジネスなら黒かコゲチャの革靴、カジュアルならスニーカーもおすすめ
スラックスに合わせる靴ですが、ビジネス用なら黒かコゲチャの革靴、カジュアルならレザーのスニーカーがおすすめです。
【レザーシューズ】
ビジネスで使うのであれば、足元までかっちりとした印象になる革靴を使いましょう。
スニーカーなどはビジネスの場に相応しくなくなります。
【レザースニーカー】
カジュアルでのスニーカーは、レザー素材にするとスラックスとの相性が良いです。
スニーカーのかっちり感とスニーカーのイメージが外れ過ぎないので自然とコーディネートができます。
5.スラックスに合わせるおすすめアイテム4選
スラックスによく合うアイテムをご紹介します。
スラックスを買ったけれども、何と合わせたらいいのか分からない場合は参考にしてください。
5-1 テーラードジャケットは必須のアイテム
【ジャケット】
このような「テーラードジャケット」は上品な大人の雰囲気を醸し出すのには間違いないです。
スラックスに合わせるアイテムとしては、男性誰しもが最低1着持っていて良いアイテムであります。
ジャストサイズで、無地の紺やグレーなどのベーシックな色目は押さえておくと着回しも出来て便利です。
その上でさらにおしゃれを目指すのであれば、「ストライプ」や「ウィンドウペーン」などの柄物を加えたり、夏物の麻で明るめのカラー、冬だったらツィードなどの季節ごとに合う素材で持っておいたり、カラーで持っておくとバリエーションが広がります。
【ウインドウペンジャケット】
【ストライプジャケット】
【麻素材ジャケット】
またジャケットは、インナーの種類によって印象を変えることが出来ます。
【ジャケット×シャツ】
JKのインナーに襟付きシャツ(=ワイシャツ)をで合わせると、スーツ姿にも近くなるのでカチッと感が出ます。
【ジャケット×Tシャツ】
逆にジャケットのインナーにTシャツのように襟がないものを組み合わせると、ジャケットを着ながらもカチッとなり過ぎない、カジュアルな印象を作ることも出来ます。
※ジャケットについてはこちらにも詳しく書いています。
関連記事5-2 インナーは白や水色のシャツでさわやかな印象に
【白・水色・ピンク】
襟付きの「シャツ」は必須と言えるでしょう。
冬のジャケパンコーデにおいて、ジャケットの中に着るものとしても最も定番的です。
シャツの色は、無地であれば白、青(水色)、淡いピンクなどが合わせやすくさわやかな印象となります。
冬用のジャケットは色目や素材感で見た目の「重たさ」が出やすくなりますが、それを軽減してくれます。
またジャケットの上品さをさらにグッと引き上げてくれます。
また、柄を入れるとカジュアル感や、やわらかい印象を出すことが出来ます。
柄の定番としては、ストライプやウィンドウペーン、グラフチェック、ギンガムチェックなどが挙げられます。
【グラフチェック、ストライプ、ギンガムチェック】
コーディネートの注意点としては、ジャケットが無地であればシャツは柄でも良いです。逆にシャツが柄の場合にはジャケットは無地にした方が見た目にしつこくならずにさり気なさが演出出来ます。
※シャツについてはコチラの記事に詳しく書かれています。
関連記事5-3 足元を引き締めてくれる「レザーシューズ」
【レザーシューズ】
靴については革靴が鉄板です。
レザー(革)素材で色は黒かコゲチャですが、よりカチッと見せたいのであれば黒、やや柔らかい印象を醸し出すのを狙うなら「コゲチャ」となります。
コゲチャは黒ほどカッチリになり過ぎず、適度に上品な柔らかさが演出できます。明るい色よりは濃い色目の方がより合わせもし易く、シャープな印象にもなるので足元を引き締めてくれますのでオススメと言えます。
【レザースニーカー】
また、レザー素材のスニーカーもあります。カジュアルであれば足元の軽やかさが演出出来て良いでしょう。
※レザーシューズについてはコチラの記事に詳しく書かれています。
関連記事5-4 細部にもこだわりたい!「レザーベルト」
【レザーベルト】
細部ですが、ベルトにも気を遣いたいです。
写真のようなレザーのバックルタイプが良いです。
ベルトは幅が太過ぎると暑苦しく感じてしまうので、幅は3.5cm(35mm)が目安となります。太いとカジュアル用となり、細いとビジネス用となります。最も合わせやすくバランスが良いのは3.5cm幅となります。色は黒かコゲチャですが、靴に合わせてください。
【レザーメッシュベルト】
また、カジュアルなコーディネート用なら、メッシュ状になっているレザーメッシュベルトも良いです。
細かいところまで気を使ってるとふとしたときに「オシャレ」と思わせることができます。
6.スラックスのコーディネート例6選
最後に実際にスラックスを使ったコーディネートをみていきましょう。
自分にあったものが選べていればどんな着こなしをしても大人っぽく見えてきます。
6-1 ビジネス・ビジネスカジュアルのコーディネート
【スーツスタイル】スーツがかっちりとした印象に決まっていないと、頼りがいがなくなってしまいますが、画像のようにビシっと決まっていればデキる男の雰囲気になります。
スーツを着る機会の多い仕事の方の場合は、まずはこの軸を作りましょう。
【スーツスタイル×セーター×シャツ】
セーターを入れた秋~春にかけたカジュアルスタイルもOK。
柔らかい印象になりますが、正しいスラックスが選べていれば崩れた印象になりすぎません。
【ジャケスラスタイル】
ノーネクタイでスラックスの色を変えたビジネスカジュアルスタイル。
スーツと比べてカジュアルな組み合わせになっていますが、崩れているというよりも、「着こなしている」という印象になっていますね。
綺麗に着こなすことで、大人のカジュアルスタイルができあがります。
6-2 カジュアル使いのコーディネート例
【スラックス×ピンクシャツ】
ジャケットを脱いだカジュアルスタイルも下半身がかっちりしていればOK。
サイズの合ったスラックスと、革靴を合わせておけばキレイ目にまとまります。
【スラックス×スニーカー】ノーネクタイにスニーカーを合わせたカジュアルスタイル。
足元をスニーカーに変えるだけで大きく印象が柔らかくなってきます。
いわゆる「外し」の着こなしをすると一気にオシャレな雰囲気になります。
【スラックス×柄シャツ】
(参照:fululuri)
スラックスの丈をあえて、くるぶしまで短くしたカジュアルスタイル。
丈が短くなるとカジュアルな雰囲気になりますが、スラックスであれば上品にまとまっていますね。
足元もしっかりと革靴で合わせることで程よい抜け感に落ち着いています。
7.スラックスを買うためのおすすめショップ3選
スラックスを買うことが出来るおすすめショップをお伝えします。
いずれのショップで購入されるにしても、必ず試着して、出来れば全身コーディネートしてお店の全身鏡で見ながら配色バランスやサイズ感などをチェックしてください。
7-1 「トゥモローランド」で流行、定番共に揃います!
セレクトショップは量販店よりも少し価格は上がってきますが、自社製造あるいは海外からのインポート(輸入)商品などもあり、スラックスを使ったコーディネートも作りやすいです。中でもトゥモローランドはレディスも幅広い年齢層に人気があり女性認知も広いブランドでありますから、女性からの印象を考えた上でも押さえておくと良いでしょう。
セレクトショップは店舗によって商品構成が異なりますので、スラックス用としては、カジュアルとスーツが両方置かれているような店舗であれば探しやすいでしょう。
7-2 じっくり選びたい派なら「イセタンメンズ」!
東京新宿にあるデパートで地下1階から8階まで全て男性向けのアイテムが揃っています。そのため品揃えが豊富で、スラックスや合わせるアイテムの全身コーディネートも可能で、じっくり選べます。
ブランド数も多く当然大人っぽいアイテムが豊富であります。
ただし、売り場面積が大変広く、ブランドも多く混在しておりますので、ここから自分に合うものを探していく作業がちょっと大変かもしれません。時間に余裕を持ってじっくりと買い物に行かれることをオススメします。
7-3 自分で選べない男性はプロに任せよう!「ライフブランディング」
お店に行ったけれど、自分ではいいものが選べない・・・など洋服の買い物に悩まされた男性は利用してみてください。
男性専門でファッションコーディネートサービスを提供しており、これまで1万人以上の利用者がいます。
ビジネスカジュアルやプライベートで穿くスラックスを使ったコーディネートを求めて来店する方もとても多いです。
ショップと少し異なるのは、まずカウンセリング(洋服を着るシーンやライフスタイルをヒアリング)を行い、サイズを計測してから最適なコーディネートをプロが選びます。
服選びに悩まされた際にはホームページの無料相談フォーム、あるいはフリーダイアル0120-470-460で電話無料相談が受けられます。
8.まとめ
いかがでしたでしょうか。
スラックスとは何か?またはスラックスの選び方から、コーディネートまでポイントをご紹介しました。
ビジネスではもちろん定番パンツですし、カジュアルではどのようにすれば良いかについてもまとめています。
今回お伝えしたような内容を参考に、上品にスラックスを穿きこなせることが出来ます。
是非とも取り入れてコーディネートを楽しんでください!