
「ビジネスカジュアルの時には、どんな靴を合わせたらいいのだろう」と悩む男性は多いのではないでしょうか。
ビジネスカジュアルでは服装の自由度が高くなるので、どのような靴を合わせるかは、スーツスタイルよりも難しく感じると思います。
でも、そんな難しく感じるビジネスカジュアルに合わせる靴の選び方には、実はポイントがあります。
まずは「革靴」を選ぶこと。
加えて、ビジネスに適した「デザイン」と「色」を選ぶこと。
これができれば、ビジネスカジュアルのスタイルでも、”デキるビジネスマン”を足元から演出できます!
私は男性専門で個人向けパーソナルスタイリストサービスを提供している会社の代表をしています。弊社は今まで10,000人以上のお客さまにご利用頂いております。また、前職は伊勢丹メンズ館でバイヤーをしており、ビジネスカジュアルに合わせる靴の買い付けもしていました。
弊社でもビジネスカジュアルに合わせる靴についての質問はかなり多く頂きます。例えば、「スーツに合わせている靴はそのまま使ってもいいのか」「ビジネスカジュアルに合わせる靴は何色がいいのか」など質問の内容は様々です。
この記事でお伝えするポイントを押さえることで、ビジネスカジュアルに合わせる靴で迷うことはなくなるはずです。
ぜひ、ビジネスカジュアルに合う靴の選び方をマスターして、ワンランク上のデキる男のビジネスカジュアルを実現しましょう。
目次
1.ビジネスカジュアルで使う靴の選び方
ビジネスカジュアルでは、かっちりとした印象の革靴が最も適した靴の種類です。
スーツスタイル同様に、ジャケットを羽織るケースが少なくないでしょうから、カジュアル化が進んでいるとはいえ、足元はある程度かっちりとさせておいた方が印象はよくなるはずです。
ビジネスカジュアルで使う革靴の選び方についてですが、「デザイン」と「色」の2つがポイントになります。
それぞれについて、以下でご説明していきます。
1-1 ビジネスカジュアルに最適なデザイン5選
まず、デザインは5種類を覚えておくと間違いありません。以下で詳しくご紹介していきます。
1-1-1 最もオーソドックスなストレートチップ
まずは、最もオーソドックスなストレートチップです。
ストレートチップとは、つま先部分に横一文字のラインが入ったデザインです。使える場面は広く、通常のビジネスシーンから冠婚葬祭でも使うことが出来ます。
最初の1足に持つならこれがおすすめです。もちろん、スーツスタイルにも兼用できます。
1-1-2 もう一足選ぶならウィングチップ
続いては、ウィングチップです。ウィングチップはストレートチップの後に揃えるデザインとしておすすめです。
ウィングチップとは、つま先部分にウィング(羽)のような形のラインが入ったデザインです。
こちらも、スーツスタイルでもビジネスカジュアルでも使うことができる、便利なデザインです。
ストレートチップよりは、ややカジュアルになり、ファッショナブルな印象になります。
1-1-3 ビジネスカジュアルに最適なUチップ
ビジネスカジュアルでおすすめなデザインとして、Uチップがあります。
つま先にU字型の縫い飾りがあるデザインが特徴です。
Uチップはカジュアルなデザインとされ、正式にはスーツスタイルでは合わせる靴ではないとされています。しかし、スーツスタイルよりもカジュアルになるビジネスカジュアルのコーディネートでは、カジュアルな印象のUチップとの相性がいいです。
1-1-4 中上級者向けのプレーントゥ
プレーントゥはつま先に飾りのないベーシックなデザインです。
ベーシックなデザインですが、ビジネスカジュアルの服との合わせが少し難しくもあります。丸みのあるデザインの靴も多いですが、細身タイプの方が合わせやすいです。
1-1-5 紐がないタイプならモンクストラップ
紐がなく、ストラップをバックルで留めるデザインのモンクストラップもおすすめです。
モンクストラップは、紐が無い靴では唯一正式なスーツスタイルでも合わせることのできるデザインです。
ビジネスカジュアルの時には、少し足元にポイントが欲しい時などに便利です。
スーツとは違ってビジネスカジュアルでは内羽根式、外羽根式どちらも選べる
靴には選ぶポイントとして、デザインの他にもう一つ重要なポイントがあります。
それは、内羽式か外羽根式かということです。
羽根とは、靴の紐を留めている部分のことで、この部分の違いで内羽根式と外羽根式かが変わってきます。
内羽根式とは、羽根(鳩目の付く部分)が甲の部分と一体化している型です。
バルモラル(balmoral)やオックスフォード(oxford)と呼ばれます。元々はスコットランドのバルモラル城に由来した名称で、ビクトリア女王の夫のアルバート公によって1853年に考案されたと言われています。
外羽根式とは、羽根(鳩目の付く部分)が甲より前の部分に乗っかっている型です。
こちらは、ブルーチャー(blucher)やダービー(derby)とも呼ばれます。プロシャ軍のブリュッヘル将軍によって1810年頃に考案されたと言われ、その名前を英語読みしたところからきています。またダービーとは、鳩目部分の形状が競馬のゲートに似ていることが由来と言われています。
内羽根式はよりフォーマル、外羽根式はカジュアルな印象になる
内羽根式は冠婚葬祭などフォーマルなシーンに着ていくコーディネートに合わせるタイプの靴です。また、スーツスタイルでは内羽根式を選びます。
もちろん、ビジネスカジュアルで取り入れる、ジャケットとパンツスタイルにも合わせることができる、オールマイティーなデザインです。
外羽根式は、よりカジュアルなシーンに着ていくコーディネートに合わせます。こちらも、ビジネスカジュアルのジャケットとパンツスタイルなどとも相性がいいです。
スニーカーが許容範囲でも、カジュアル過ぎはNG
スニーカーも許容範囲として認められている企業もあるかもしれませんが、スポーティーなタイプのスニーカーなどはカジュアル過ぎる印象でビジネスシーンにはふさわしくありません。
もし履く場合にも、下の写真のような暗めの色のレザースニーカーを選んでかっちりとした印象は保てるように注意しましょう。なお、サンダルは、かなりカジュアルなアイテムですのでビジネスシーンでは履かないようにしましょう。
1-2 色はこげ茶を選ぶと柔らかい印象でビジネスカジュアルに最適
ビジネスカジュアルに合わせる靴の色については、こげ茶と黒が基本となります。
その中でもこげ茶を選べば間違いありません。こげ茶の靴は柔らかくカジュアルな印象になるので、スーツよりもカジュアルな印象のビジネスカジュアルとの相性がいいです。
黒はかっちりとした印象になるので、ビジネスカジュアルでも、フォーマル度が高いコーディネートによく合います。
その他の色を選ぶ時には、暗い色か、明るい色かを分けて考えましょう。
ネイビーや赤茶などの暗い色は、かっちりとした印象になります。
ベージュなどの明るい色は、柔らかくカジュアルな印象になります。
2章でも詳しく説明しますが、どちらかと言えば、明るい色の靴の方がコーディネートが難しいので、上級者向けの色と言えます。
2.パンツと靴のコーディネート事例
靴を選ぶ時には、全体のコーディネートとの合わせはもちろんですが、靴との距離が近い、パンツとの合わせにも特に注意をしましょう。
ポイントとして、まずはパンツと靴の色を暗い色と明るい色に分けて考えましょう。
・暗い色:ネイビー、黒、濃いグレー、コゲチャなど
・明るい色:ベージュ、ライトグレーなど
パンツも靴も暗い色はかっちりとした印象になり、明るい色は柔らかくカジュアルな印象になります。
こげ茶や黒などの暗い色の靴は、靴自体があまり主張をしないので、パンツの色は暗い色でも明るい色でもどちらでも全体がうまくまとまりやすくなります。初心者の場合は、暗い色の靴の方が合わせやすく感じるはずです。
ベージュなどの明るい色の靴は、相手からの目線が靴にいきやすくなります。そのため、靴でおしゃれ感を演出したい場合や、トータルコーディネートの中でも靴をより強調したい場合におすすめです。暗い色の靴よりも、上級者向けのアイテムと考えましょう。
パンツと靴の合わせについては、以下の4つのパターンに分けて考えると分かりやすくなります。
1、パンツが暗い色、靴が暗い色
2、パンツが暗い色、靴が明るい色
3、パンツが明るい色、靴が暗い色
4、パンツが明るい色、靴が明るい色
以下では、パンツの色別に靴とのコーディネート事例をお見せします。
2-1 暗い色のチノパン/スラックスと靴のコーディネート事例
上の写真はチャコールグレーのスラックスにこげ茶のストレートチップを合わせたコーディネートです。
こちらは、チャコールグレーのチノパンにこげ茶のストレートチップを合わせたコーディネートです。
パンツ、靴ともに暗い色でまとめると、すっきりとまとまって、かっちりとした男っぽい印象になります。
上の写真のように暗い色のパンツに明るい色の靴を合わせると、足元の部分が特に目立つ印象で、インパクトは強くなるでしょう。人とは違ったコーディネートで差をつけたい時には、選択肢に入れてもいいでしょう。
2-2 明るい色のチノパン/スラックスと靴のコーディネート事例
明るい色のパンツに暗い色の靴を合わせると柔らかい雰囲気の中にも、足元で引き締まった印象を加えることができます。
明るい色のパンツに明るい色の靴を合わせると、下半身全体が柔らかく、お洒落な印象になります。着慣れていないと、なかなか難易度の高い着こなしでもあります。
ビジネスカジュアルのコーディネートについて基本を知りたい方は以下の記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
初めてのビジネスカジュアルも悩まない!ビジカジの基本を季節別解説
3.ビジネスカジュアルを買うならこのお店3選
ある程度のカッコよさとバリエーションの豊富さ、そして安過ぎず、高すぎない価格帯で、大人の男の足元を演出する上でおすすめおお店を3店舗ご紹介しましょう。
3-1 リーガル
全国に直営店があり、その他全国のデパートの靴コーナーでも取扱いがあります。
かなり多くの革靴のデザインや色があるので、スーツスタイルに合う靴はもちろん、ビジネスカジュアルにも合う靴を多く揃えています。価格は2万円代が中心です。
3-2 スコッチグレイン
直営店は銀座、上野、大阪などにあり、その他全国のデパートの靴コーナーで多く取り扱いがあります。
革や製法にこだわっていて、履いていくほどに足に馴染んできます。デザインや色もかなり豊富にあるので、ビジネスカジュアルに合わせる靴も選びやすいです。価格は3万円代が中心です。
3-3 伊勢丹メンズ館
新宿にある、地下1階から8階まで全て男性向けのアイテムが揃っているデパートで、品揃えの豊富さは日本最大級です。
その中でも地下1階の紳士靴のコーナーは日本最大級の品揃えと売上高です。
ビジネスカジュアルに合わせる靴も、デザイン、色、サイズなどがかなり豊富にあります。
価格帯も幅が広く、ビジネスカジュアルに合わせる革靴は2万円代から5万円代が中心となり、より高価格帯も多くあります。
4.まとめ
スーツスタイルよりもカジュアル度の高いビジネスカジュアルにおいて、靴選びに不安を覚える方も少なくないはずです。どこまでカジュアルにしていいか分からないということもあるでしょう。
カジュアル度が高まったとしても、やはり足元は革靴を合わせるのが間違いありません。
こげ茶と黒の色の5種類のデザインの靴を、シーンや演出したい雰囲気に応じて使い分ければ、ワンランク上の大人のビジネスカジュアルスタイルを作り上げることができるでしょう。
ぜひ、明日からのビジネスシーンでの着こなしに活かしてみてくださいね。
▼ビジネスカジュアルで活躍するシャツやジャケットもこだわりたい方は以下を参考にしてみてくださいね!