
スラックスを穿いていて、なんだかしっくり来ない、野暮ったいかも?
と感じる方もいるのではないでしょうか。
その大きな要因に、サイズ感があります。
男性用のスラックスは、サイズ感によって見え方が大きく変わってきます。
40~50代にはゆったりが好まれ、20~30代は細身がカッコ良いと思う傾向がありますが、大き過ぎは野暮ったく見えて、細過ぎるのは無理があるようになり窮屈に見えてしまいます。
ではどうすれば良いのか?それは「ジャストサイズ」で着ることです。
今回は、これまで多くのファッションに悩める男性にコーディネートのアドバイスを行ってきた男性専門パーソナルスタイリストの私たちが、あなたにとってベストなスラックスのサイズ選びが出来るポイントをご紹介します。
目次
1.スラックスのサイズ感はジャストサイズがベスト!細過ぎにも気を付けよう
スラックスのサイズ感は、太過ぎず細過ぎず、まずは「ジャストサイズ」で穿くことがベストです。
そもそもスラックスとは、スーツの下のズボンのようなしっかりとした仕立てで、ウール素材が使われた生地のパンツのことです。
ビジネス用での男性用のパンツというのが一般的でしょう。
ビジネス使いするアイテムでもあるので、プライベート用のカジュアルとも違い相手に不快感を与えないようなサイズ感にすることが必要です。
ですので、太過ぎず細過ぎずのジャストサイズであることが必要となります。
次に、ジャストサイズで穿くためのポイントをご紹介します。
2.スラックスのサイズ感はウェスト、お尻、モモ、ヒザ、裾をチェック
スラックスのサイズ感は、ウェスト、お尻周り、モモ周り、ヒザ周り、裾幅と長さの兼ね合いで見え方が変わりますので、ポイント5点を意識してジャストサイズに持っていけるようにしましょう。
2-1 ウェストは指1本入る程度でジャストサイズに
ウェストの大きさはチノパンを穿いた際に、人差し指が1本入るくらいのゆとりがあれば大丈夫です。
緩い方がお好きな方でも、手のひらの厚みがひとつ収まる程度までが良いでしょう。
個々で多少感じ方も変わると思いますので、上記の範囲内を目安としてください。
指1本入るくらいであれば、食事前後のサイズ変化にも対応できます。これより余裕があり過ぎると、ベルトをした時に生地がよれてしまいます。
2-2 お尻はシワが寄らず、食い込まずにジャストサイズで
お尻回りが大きすぎると縦にシワが入り、小さすぎると食い込みが生じます。
<大きすぎて縦ジワができている>
2-3 モモはシワが入り過ぎないようにジャストサイズで
太もも回りがきついと、座った時にミミズのようなシワがたくさん入ります。座った姿勢でシワが多く入らないかどうか確認しましょう。
穿いた感覚でのサイズ判断は、スラックスを穿いて屈伸をしてみて、破れなさそうであれば大丈夫です。
2-4 裾幅は18~20cmがベスト
裾口の幅は、Sサイズなど細い体型の方で18cm程度、LやXLサイズなど太い体型やがっちりという体型の方で20cm程度、Mサイズの方で19cm程度がベストです。
もも周りから裾に向かっては、徐々に細くなっていく方がすっきり見えます。
2-5 丈の長さはハーフクッションがベスト
裾の丈の長さは、靴を脱いだ時に裾が地面に届くか着かないかの長さにしましょう。
靴を履いた際に、裾口がややたまるように見える状態です。
「ハーフクッション」と言います。
裾丈が長すぎると野暮ったく、短すぎるとカジュアル感が出ます。
靴に届かないくらい短い、くるぶし丈程度を「ノークッション」、またハーフクッションよりも長いのが「ワンクッション」となりますが、ハーフクッションを覚えておくと良いです。
3.サイズ感以外でスラックスを選ぶ際のポイント
サイズ感以外でスラックスを選ぶ際のちょっとしたポイントをご紹介しましょう。
3-1 股上浅めのノータックかワンタックがおすすめ
腰回りは、股上が浅めで、ノータックかワンタックにするとすっきり見えて良いです。
タックとは、腰回りに余裕を持たせるための折り目となりますので、2本以上とタックの数が多いと野暮ったい見た目となってしまいます。
スラックスは通常でベルトも使用しますので、ベルトでナチュラルな締め具合でウェストが腰骨位置で安定させると見た目にもスッキリした腰回りになります。
3-2 裾口はスッキリ感なら「シングル」、重厚感なら「ダブル」
裾口ですが、折り返しのないシングルと、折り返しのあるダブルがあります。
【裾口 シングル】
【裾口 ダブル】
スッキリとシャープな印象にするならシングルで、足元の重厚感を意識するならダブルという選択の方法が良いです。
3-3 ベーシックな色や柄を選んでスマートな印象に
スラックスの色は、ベーシックな色を選ぶことでスマートな印象になります。
色は明るい色と濃い色とで持っておくと、バリエーションにもなりますし、印象も変わります。
基本的には明るい色は柔らかい印象になり、暗い色はかっちりとした印象になります。
定番的な色であればグレー系。チャコールとライトグレーです。
グレー系以外だと紺や黒が定番です。
3-4 生地素材は「ウール」が定番
生地に使われている素材は「ウール」が定番となります。
最近は、ポリエステルの生地で作られたスラックスもお店で多く見られますが、安っぽく見えてしまうリスクがあります。
ウールの中でも特に、一年中使えるような、中肉厚のウール生地で選んでおくと、季節を問わず様々なアイテムとの組み合わせがしやすく便利です。
例えば、夏に使われる麻のジャケットとも合わせられますし、
冬に使われるツィードのジャケットと合わせることも出来ます。
まずは使い勝手のいいウールのものから揃えていって、何本かそろえた後に季節ものを採り入れるといいでしょう。
4.スラックスを穿くときの注意点
次にスラックスを穿くときの注意点をご紹介します。
4-1 ウェスト位置は腰骨に引っ掛けて穿こう
スラックスの股上が浅めのタイプであれば、ウェスト位置を腰骨に引っ掛けるようにして穿きましょう。
股上の深いスラックスをウェスト位置を上げて穿いてしまうと、野暮ったく見えます。
<ウェスト位置の上げ過ぎ>
股上が浅いスラックスをウェスト位置を上げて穿いてしまうと、臀部やオシリが食い込んで見えてしまいます。
正しいウェスト位置で、そこにベルトで固定させ自然な見え方であれば問題ありません。
4-2 センタープレスはしっかりと入っている状態で穿こう
センタープレスはしっかりと入っている状態で穿くようにしましょう。
センタープレスとは、両足中央にアイロンなどで1本の折り目を付けるデザインのことで、「クリース」とも呼びます。
主にパンツに施されます。スーツなどのフォーマルウェアでよく見られるデザインです。
縦のラインが強調されることで足長効果もありますし、立体感が出ます。シルエットがきれいに見えます。
しかしセンタープレスは、日々使っていると薄れたり消えてしまいます。
センタープレスが消えてしまうと、のっぺりとした見た目にもなり、だらしない印象となりますので、取れてしまったらスチームアイロンなどで付けるようにしましょう。
アイロンは低温から中温に設定し、ハンカチなどの薄い布地で当て布を必ずして、軽く押し当てるように折り目を作りましょう。
5.スラックスに合わせる他アイテムを揃えよう
スラックスに合わせる他のアイテムをご紹介します。
5-1 「ジャケット」は大人っぽさの象徴的アイテム
このような「テーラードジャケット」は上品な大人の雰囲気を醸し出すのには間違いないです。
スラックスに合わせるアイテムとしては、男性誰しもが最低1着持っていて良いアイテムであります。
おすすめはカチッと見えるテーラード型!素材はウール100%がベストで、カジュアル感を出すために素材を綿にして柔らかい印象を残すなどして変化を出します。
大人っぽさを示すうえでも象徴的なアイテムとなります。
【ジャケット ウール(羊毛)】
【ジャケット 綿(コットン)】
色はやはり一般的にはネイビー系やグレー系、黒の無地となるでしょう。
合わせもしやすく、コーディネートに困らないところも鉄板として用いられる要因です。
【ジャケット グレー】
詳しいジャケットの選び方はこちらをご参照ください。
関連記事5-2 爽やかな襟付き「シャツ」は必須インナーアイテム
襟付きの「シャツ」は必須と言えるでしょう。
シャツの色は、無地であれば白、青(水色)、淡いピンクなどが合わせやすくさわやかな印象となります。
【水色】
【淡いピンク】
特に濃い色のジャケットは見た目の「重たさ」が出やすくなりますが、それを軽減してくれる効果もあり、ジャケットの上品さをさらにグッと引き上げてくれます。
ちなみに、柄を入れるとカジュアル感や、やわらかい印象を出すことが出来ます。
柄の定番としては、ストライプやウィンドウペーン、チェックなどが挙げられます。
【シャツ ストライプ】
【ウィンドウペーン】
コーディネートの注意点としては、ジャケットが無地であればシャツは柄でも良いです。逆にシャツが柄の場合にはジャケットは無地にした方が見た目にしつこくならずにさり気なさが演出出来ます。
詳しいシャツのサイズ選びなどについてはこちらをご参照ください。
関連記事5-3 「セーター(ニット)」は上品さを出す重要アイテム
寒い時期は薄手のウール素材のセーター(ニット)をスラックスに合わせることも可能です。
ワイシャツの上に着ることも出来ますし、インナーの上に直接着ることも出来て、とても上品な印象が出せるからです。
色は黒やライトグレーなどが落ち着いた定番色がおすすめです。ちょっとおしゃれ感を出すのにパープルのような差し色を使うと効果があります。
5-4 足元は細身に見える黒かコゲチャのヒモの革靴
靴については革靴が鉄板です。
レザー(革)素材で色は黒かコゲチャですが、よりカチッと見せたいのであれば黒、やや柔らかい印象を醸し出すのを狙うなら「コゲチャ」がいいでしょう。
コゲチャは黒ほどカッチリになり過ぎず、適度に上品な柔らかさが演出できます。明るい色よりは濃い色目の方がより合わせもし易く、シャープな印象にもなるので足元を引き締めてくれますのでオススメです。
また、レザー素材のスニーカーもあります。カジュアルであれば足元の軽やかさが演出出来て良いでしょう。
詳しいシューズの選び方はこちらをご参照ください。
関連記事5-5 3~3.5cm巾の黒かコゲチャのレザーベルト
細部ですが、ベルトにも気を遣いたいです。
写真のようなレザーのバックルタイプが良いです。
ベルトは幅が太過ぎると暑苦しく感じてしまうので、幅は3.5cm(35mm)が目安となります。太いとカジュアル用となり、細いとビジネス用となります。最も合わせやすくバランスが良いのは3.5cm幅となります。色は黒かコゲチャですが、靴に合わせてください。
また、カジュアルなコーディネート用なら、メッシュ状になっているレザーメッシュベルトも良いです。
詳しいベルトの選び方はこちら↓
関連記事6.ベストなサイズ感のスラックスコーディネート7例
6-1 ビジネス、またはビジネスカジュアルのコーディネート
定番のジャケスラ(ジャケット+スラックス)コーディネート
薄手のセーターを中に合わせて、柔らかい印象に
6-2 カジュアル使いのコーデ例
ネクタイはしていますが、セーターを組み合わせてカジュアルな雰囲気に
スニーカーを合わせるなら、レザースニーカーが上品に仕上がるのでオススメ
7.ジャストサイズのスラックスを買うためのおすすめショップ3選
スラックスを買うことが出来るおすすめショップをお伝えします。
いずれのショップで購入されるにしても、必ず試着して、出来れば全身コーディネートしてお店の全身鏡で見ながら配色バランスやサイズ感などをチェックしてください。
7-1 既製品なら「AOKI」でリーズナブルに
言わずと知れた、大手スーツ量販店ですが、ベーシックでありながらもトレンドを取り入れた、さりげないお洒落感のあるスーツやスラックス単品を手に入れることができます。幅広い年齢層の方をターゲットとしています。機能性を重視した、丸洗いできるスーツや自転車・バイク通勤用のストレッチの効いたスーツ、また、体格の大きい方向けのスーツなど、バリエーションも豊富です。価格や機能性も重視しながらお洒落に・・・という方には最適です。
7-2 じっくり選びたい派なら「イセタンメンズ」
東京新宿にあるデパートで地下1階から8階まで全て男性向けのアイテムが揃っています。そのため品揃えが豊富でスラックスやスーツも可能です。
ブランド数も多く当然大人っぽいアイテムが豊富であります。
ただし、売り場面積が大変広く、ブランドも多く混在しておりますので、ここから自分に合うものを探していく作業がちょっと大変かもしれません。時間に余裕を持ってじっくりと買い物に行かれることをオススメします。
7-3 自分で選べない男性はプロに任せよう!「ライフブランディング」
お店に行ったけれど、自分ではいいものが選べない・・・など洋服の買い物に悩まされた男性は利用してみてください。
男性専門でファッションコーディネートサービスを提供しており、これまで1万人以上の利用者がいます。
スーツやスラックスを使ったコーディネートを求めて来店する方もとても多いです。
ショップと少し異なるのは、まずカウンセリング(洋服を着るシーンやライフスタイルをヒアリング)を行い、サイズを計測してから最適なコーディネートをプロが選ぶ点です。
サイズやパーソナルデータをもとに、ファッションに関するお悩みはまとめて解決できるのがメリットです。
服選びに悩まされた際にはホームページの無料相談フォーム、あるいはフリーダイアル0120-470-460でまずは電話無料相談が受けられます。
8.まとめ
いかがでしたでしょうか。
スラックスを選ぶ際のサイズ感についてポイントなどをお伝えしました。
あなたにとってのジャストサイズで着ることで、印象は大きく変わってきます。
スラックスのサイズ感に悩んでいる方は是非とも参考にしてください。